「公衆衛生ねっと」 災害時の公衆衛生

被災者の心を支えるポイント
2011年3月25日 14:46:10 更新
被災者の心を支える
 読売新聞大阪本社夕刊(公衆衛生ねっとのページで紹介

抜粋

■被災者への接し方 (発生後、初期の段階)
             兵庫県こころのケアセンター副センター長の精神科医、加藤寛

◆望ましい態度
・「○○の○○と言います。○○の活動をしています。お話してよいですか?」
 (いきなり支援を押しつけず、様子を見てから打診する)
・「今、お困りのこと、必要なものは何でしょうか?」
 (生活面を中心に、現実的な支援を大切にする)
・役に立つ情報をできるだけ正確に提供する。求めがあれば何度でも伝える
・穏やかな声でゆっくり、わかりやすい言葉で話す
・被災者が体験を話し始めたら、黙って耳を傾ける
・被災体験の詳細を質問するのは避ける
・わかったつもりにならない、憶測しない
・安易にあいづち、慰め、励ましをしない
・身を守るためにとった行動、人を助けるのに役立った行動など良いところを見つける
・1か月以内の精神的変調は原則、病気扱いしない
・孤立を防ぎ、被災者同士の交流を促す

◆よくない言葉
・「お気持ちはよくわかります」
・「(亡くなった人は)苦しむ時間もなかったでしょう」
・「あなただけでも助かってよかった」
・「前向きに頑張りましょう」
・「希望を持ちましょう」
・「つらいことは早く忘れましょう」
・「時間がたてば和らぎますよ」
・「もっとひどい所もあります」
・「乗り越えるしかありません」
・「悲しい時は、悲しまないといけません」
・「リラックスしないといけません」
・「これからあなたが一家を背負うんですから」
・「あなたは被災者だから代わりに○○してあげます」
感想と共感
 被災地でこころのケアが必要だというのは当たり前のことです。しかし、こころのケアを行き届ける前に、加藤先生がコメントされている「望ましい態度」を被災者一人ひとりに伝えることも大事だと思いました。被災者同士ができる事を積極的に伝えたいですね。
 「被災者同士の交流を促す」は俵万智作詞「手をのばす」の一節に相通じるものがあります。

    つながる つながる つながる なかで
    わたしは わたしを 見つけだす

                                ヘルスプロモーション研究センター 岩室紳也