「公衆衛生ねっと」 災害時の公衆衛生

渡會睦子の支援活動 D

3月20日(日)

・早朝に山形放送の友人と各放送局に保健師活動について投げ込みをしておいた。
・12:15 山形放送ラジオ「オーレオーレ!」に生出演。若林区や全国からの保健師の派遣があっての保健活動のすばらしさのPR、出発前の山形でお世話になった人たちに向けてのお礼、現状と今後山形県民ができること、町内会を大事に若い人も積極的に加わってほしいことを話した。
・町内会の役員さんたちは65〜80歳の男性陣で働きすぎていて、血圧が全員に近いほど高すぎる。町内会の役員は避難所の運営をしてくれているが、消防団の人たちは、毎日、浜側に行方不明者の捜索に出ているという。でも消防団もみな高齢者だとのこと。町内会の役員や消防団は、若い人も地域を守るためにも入ってもらわないといけないと実感した。
・ガソリンスタンドが開いておらず、ガソリンが盗まれる事件が多発している。若林区役所もガソリンを盗まれ、公用車も一台盗まれている。
・被災から1週間して、だいぶ落ち着いてきた。ここで思うのが、避難所の支援に入るのは、被災1週間までが勝負。それ以降は、まったく違うケアに刻々と変わる。保健師さんたちも寝ていないので、疲労感が漂っており、一人二人と感冒と疲れで休む人もいたが次の日には出勤している。今日、被災後、保健師の課長さんが始めて休みを取ったが午後には出勤していた。
・避難所も落ち着いてきたが、インフルエンザ疑いが出て、避難所の端に寝てもらえるよう移動した。隔離の部屋がないが、疑いなので保留。
・避難所で、保健師として硬い顔をしているよりも、(人にあわせてではあるが)おどけて踊るように近づきふざけて見せると、とても避難者の方が喜んでくれる。硬い表情の方も徐々に私を見るだけで笑い、「笑わないと落ち込んじゃうからね」というようになった。
・医師も神戸市より派遣されてきており、とてもありがたい。朝のミーティングでは依頼がなかったのに、結局他の避難所でもインフルエンザ疑いが出て、その先生方は23時まで働いていた。
・午前中、山形県立の先生が避難者の数の多い避難所を見に、若林区の保健師さんについて行って帰ってこない。昼ごろ避難所だけでなく津波跡の惨状や津波の被害にあった小学校の中まで見てきたことを知り、渡會はなぜか山形県立の先生が心配するくらいものすごく落ち込む。渡會の性格上、落ち込むなどめったにないため、相当、ものすごく珍しいほど、保健師さん達についていってほかの状況を確認したかったようだ。自分でもびっくりしたが、夜、山形県立の先生に、自分のその気持ちを打ち明けすっきり。落ち込み解除。ごめんなさいでした。

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避難所の中での保健師同士のミーティング
3月20日 町内会で活動してくれている元気いっぱいのお母さんと避難所の中に着替え場所をテントを利用して作った。