若者の性をどう考えますか?

 最近、「過激な性教育」といった批判が相次いでいます。若者たちが性の問題に巻き込まれず、健やかに育って欲しいと願っている大人が多いのですが、どうして若者たちはセックスに走り、望まない妊娠や性感染症が多いのでしょうか。家庭や社会が悪いと批判するのは簡単ですが、大人としてその子たちにあなたは何ができますか。「悲惨な状況を何とかしたい」、「自分に出来ることは何か」と一生懸命頑張っている人の中に、確かに批判されてもおかしくない方法論をとっている人もいます。
 (岩室紳也もその一人と言われている??? 
(~_~;) )
 (岩室の講演の感想を好意的に受け止めて自分のブログに掲載してくれた市会議員の方が市長さんになりました)

 中学生が、高校生がセックスをすることを単純に「いい:と思っている人はあまりいないでしょう。しかし、
卒業するまでに中学生の1割が、高校生の4割がセックスをしています。
 「そんな時期にセックスするな」と思っているのは私だけでしょうか?
 でも、「だめ、絶対」でやめられるのでしょうか。

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若者自身がどう思っているか
 何より中学生の時に、高校生の時にセックスをして「よかった」と思っている若者が
本当にいるのでしょうか。今、
セックスをしている一人ひとりの若者に「するな」と言う
のがいいのでしょうか。
セックスをしていない一人ひとりの若者に「するな」と 言うだ
けで本当に若者たちの心に響くメッセージになっているのでしょうか。
 われわれ大人も、セックスに限らずいろんなことで、後になって「してよかった」とか、
「しない方がよかった」と思うことが多くないですか?自分は「若い時にセックスをしなく
てこんなに良くなかった」とか、「若い時にセックスをして、こんな思いになった」という
ことを一人ひとりが語るしかないのではないでしょうか。

中学3年生の感想文から
 今回の先生のお話しを聞き、心に一番残ったことは「愛しているの反対は無関心」ということです。そのことを聞きなんかとても悲しくなりました。私は前大好きな人がいました。その人とは何か月か付き合い、その間にはいろいろなことがありました。好きな人の希望はかなえてあげなくてはいなけい、そうしないと嫌われちゃうんじゃないか、という思いからしたくもないことをしたりもしました。
 今回先生のお話しを聞き、改めて後悔しました。だから自分のことを本当に大切に思ってくれる人と付き合いたいなと思います。今回の講演は、これから生きていく上でとても勉強になりました。本当にありがとうございました。
 「素直な、でもつらい感想を書いてくれてありがとう。そしてごめんなさい。」こんな気持ちでこの感想を読んでいました。この子にもっと早くいろんなメッセージを伝えてあげられればつらい思いをせずに済んだかもしれません。でも、今までのことを後悔するのではなく、反省材料として、今後はもっと素敵な人生を生きるための糧として欲しいですね。

本当のピア(仲間による)エヂュケーション!!!
 ピアエヂュケーション活動を広げたいって思ってる大学1年生からのメールです。
 『パワーポイントなどを見て先生の考えにとても共感しました。私も高校生に性の話をしたいって思ってます。理由は、自分が高校生のとき「寂しいからとりあえずセックスしてた」からです。(こうやって書くとやっぱ悲しいです・・)思い出すとほんとに後悔します。自分を大切にしてほしい、ほかにも楽しいことなんて探せばいっぱいあるんだから、簡単にセックスしないでほしい!!という思いを、伝えたいです。特に初めてのセックスは大事にしてほしいってことも・・・。』
 同世代の人からのすごく説得力があるメッセージです。大人たちはこのような声をきちんと若者たちに伝える努力を続けたいものです。

性教育を批判だけしているあなた様へ。
 批判する前に、今の中学生、高校生を前に一度あなた自身が語ってみてください。
 あなたの言葉を若い人たちに届けてみてください。
 彼らに感動を与え、セックスを思い留まるようなメッセージを送ってみてください。
 彼らがあなたの言葉を聞いてくれたら私が委託されている性教育をすべてあなたに譲ります。
 私は自分のHIV/AIDSの患者さんと向き合う医療現場に戻りたいです。
 しかし、聞く力がない、聞いていられない若者たちもいるでしょうが、彼らが聞きたい話が出来る大人が少なくないですか。確かに周囲の理解を得られない性教育をしている人もいます。しかし、十羽一絡げ性教育を批判し、自ら
若者たちの前に立たずに頑張っている人たちの批判だけをしているあなた様へ。誰が若者の心を変えられる「感動あるメッセージ」を伝えるのでしょうか。非難だけだと、むなしく、かなしくないですか?

 高校1年生女子の感想
  講演、楽しく聞けて良かったです。最初のネクタイから笑いました!!
  講演って聞くと堅苦しいイメージがあってすぐ飽きそうな気がして嫌だったんですが、
  岩室先生の講演は国語っぽく長々と語っているのではなく、
  笑いが入っていて飽きる事なく聞けました!!
  2時間と言うのが短く感じました。
  真剣に話しを聞いたのは結構久しぶりです。
  保健の授業みたいに知ってる事ばかりかな〜と思っていたら、
  生理中でも妊娠する可能性はゼロじゃないとか初めて知る事が結構多かったです!
  ってか初めてコンドーム見ました…(笑)
  また来て下さいねっ!!
                      こんな額を作ってくれた学校も→

 方法論はいろいろないとおかしくないですか。私の方法論を「エイズ・性教育の一方法」と紹介したのもそのためです。「セックスするな」というメッセージが効果的な子もいるでしょう。コンドームを見せた方がいい子もいるでしょう。おそらくベストなものはない中で大人たちが悩んでいる姿をもっと子どもたちに見せたいものです。だから「岩室紳也の場合」としています。わたしは実際に私が出会った多くの患者さんたちの話をもとに「事実」を話しています。「あなたの場合」どのようなメッセージになりますか。

 ちなみに、私は超保守的な家庭を築いていますが、他人の家庭には干渉しないようにしています。何故なら

                
多様性の認知と受容

 がこれからの平和な社会を築く礎になると思うからです。

 国会で過激な性教育を糾弾された山谷えり子議員も基本的なところでは同じ考え?なのにどうして食い違うのでしょうね。(医学書院「公衆衛生」2005年10月号インタビュー記事参照〔pdf556Kb〕


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