災害支援パブリックヘルスフォーラム 趣意書
（趣意書pdf）
背景
東日本大震災から1か月余りの間、健康を守るための医療支援や公衆衛生的な支援が各地域において多くの関係者によりなされてきた。しかし、被災地全体を視野に入れた公衆衛生を中心とする包括的・体系的取り組みはいまだ始まっていない。
従って、地域の健康に責任を持つ関係者（大学や研究所の公衆衛生の専門家、国や地方自治体の行政関係者、医療関係者、福祉関係者、都市・地域計画関係者、その他ボランティアなど）が集まり、それぞれの専門の枠を超えて、地域の復興に向けて貢献すること、及び将来に備えることが、今、求められている。
こうした背景の基に本災害支援パブリックヘルスフォーラムが設立された。
目的（期待される成果)
１．「健康な地域」づくりを目指した、被災地復興ビジョンの提示
２．将来の大規模災害に備えた、急性期医療後の支援活動に関するシステム構築
３．情報の集約・分析・発信を通じた、被災地のニーズに対応する復興支援
４．科学的知見に基づく、被災地の公衆衛生問題への具体的解決策の提示
目的達成のための戦略
Ａ：情報収集・分析・共有を通じた被災地支援
（ア）被災地を中心とした既存の情報の収集と分析、共有
（イ）最低限必要な情報の標準化（ただし、現場に過度の負担がかからない注意が必要）
（ウ）主役としての現地関係者と綿密な連携（現地に赴く、またはＩＴを活用して）による支援体制の構築
Ｂ：被災地が必要とする公衆衛生学的助言
（ア）電子メールを介して適切な専門家へ照会
Ｃ：「健康な地域」づくりに向けた長期的なビジョンの形成
（ア）狭義の「公衆衛生」関係者のみならず、都市・地域工学、地域行政、福祉政策、新たな産業振興の関係者などの広範な英知を結集
（イ）ハード面のみならず、地域における人々の生活などソフト面も重視したビジョンの形成
Ｄ：災害への備え及び急性期以降の支援のあるべき姿の形成及び提言
（ア）災害に対するprivate-public partnership（PPP）を含めた効果的な備え及び支援のあり方について、上記関係者によるあらかじめの合意及び提言
災害支援パブリックヘルスフォーラム発起人
（一部：都合により名前を記載していない発起人もいます）
代表 尾身茂（自治医科大学教授、前WHO西太平洋地域事務局長）
井伊久美子（日本看護協会常務理事）
石川鎮清（自治医科大学地域医療学准教授）
石川信克（公益財団法人結核予防会結核研究所所長）
石川雄一（日本ヘルスサイエンスセンター代表取締役）
伊関友伸（城西大学経営学部マネジメント総合学科教授）
岩室紳也（公益社団法人地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センターセンター長）
宇田英典（鹿児島県姶良・伊佐地域振興局保健福祉環境部長（兼）姶良保健所長・大口保健所長）
大友康裕（東京医科歯科大学大学院救急災害医学部門教授）
小笹晃太郞（財団法人放射線影響研究所広島疫学部長）
大川弥生（（独）国立長寿医療研究センター研究所生活機能賦活研究部部長）
押谷仁（東北大学大学院医学系研究科微生物学分野教授）
尾島俊之（浜松医科大学健康社会医学講座教授）
梶井英治（自治医科大学地域医療学センター地域医療学部門教授）
片山律（千葉工業大学建築都市環境学科教授）
坂田清美（岩手医科大学衛生学公衆衛生学講座教授）
笹井康典（大阪府枚方保健所長、前全国衛生部長会会長）
清野薫子（東京医科歯科大学大学院国際保健医療協力学分野助教）
高野健人（東京医科歯科大学大学院健康推進医学分野教授、WHO健康都市研究協力センター所長）
玉腰暁子（愛知医科大学医学部公衆衛生学教授）
田村圭子（新潟大学危機管理室／災害・復興科学研究所教授）
藤内修二（大分県福祉保健部健康対策課課長）
中村桂子（東京医科歯科大学准教授、健康都市連合事務局長）
中村好一（自治医科大学公衆衛生学教室教授）
新田裕史（（独）国立環境研究所環境健康研究センター長）
浜島信之（名古屋大学大学院医学系研究科予防医学教授）
林春男（京都大学防災研究所教授）
原岡智子（浜松医科大学地域医療学特任助教）
平野かよ子（東北大学大学院医学系研究科国際看護管理学教授）
山縣然太朗（山梨大学大学院社会医学講座教授)
山本佳世子（電気通信大学大学院情報システム学研究科）
（５０音順）
公衆衛生フォーラム（Public Health Forum） 事務局
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